[太刀筋は違わねど、常程のキレがないのは彼の中に揺らぐもの故か。
タイガが何を思い惑っているのかは、知る術もなかったが。
『どうすりゃいいのかわからんからとりあえず殴ってみる』という自陣営の方法を採用すべく、やることは一つ。
そういう意味では単純明快、此方に迷いはなかった。
時折3人で手合せをするようになったのは、何が切っ掛けだったか。
面白がって判定を買って出たのが始まりだったような、気もする。
夢を見据え、鍛錬と勉学に励む二人は眩しく見えた―――当時その夢が具体的に何かまでは知らなかったが。]
掴まえた。