みんな行ったか……!?
[自らの退却は、部下全員の安全を確認してからだ。
誰も現場に残っていないことを確認していると、明らかに退却とは異なる重い足取りで、よろよろと移動している隊員がひとり。]
アーベル! 何をしてる、馬鹿、早く行け!
[走り寄ると、ガクガクと震えながら部下が自分を振り返る。]
「隊長! しかし……」
[見れば彼は両手で大きな包みを抱えて、それと一緒に逃げようとしていた。 取扱セキュリティランクSAの――超高性能弾薬だ。]
捨てろ! 物資はすべて捨てろ!
「ですが隊長、あの」
確かに貴様は最優先でそれを運搬しろと言われてるが、緊急事態は別だ、捨てろ! さもないと、
[弾薬もろとも自分がふっとぶぞ、と警告しようとした矢先、目の前が――真っ赤に染まった**]