[手紙といえばもうひとつ──
街の人間の養子になったエディから手紙が来ないと、サシャが拗ねていた時期があった。
当人はそんなことないと否定してるみたいだけれど、いやどう見てもご機嫌斜めだったでしょ。>>1:493
カークが折りに触れてサシャのことを見ていたから気づいたのかもしれない。そこは否定しない。
元気だと手紙が来れば安心するのだろうかと考え、なら、筆蹟を真似た偽の手紙を書いてサシャに届けてやろうかと筆をとった。
「故郷のことを、なかんずく君のことをよく思い出します」とか「サシャが笑っててくれたら僕も元気になります」とか書いてみたら、なんか妙に落ち着かなくて、貴重な高級紙を丸めて捨てたのだった。
後ろめたさとは違う燻り。]
(元気づけてやりてーだけじゃないのかもねえ。)
[結局、彼女の誕生日に、贈り主の書かれていない四葉のクローバーのカードを渡した思い出。]