――パーティ会場――[慣れないステップの為か。それとも、緊張の為か。踊っている間は、ただ、夢中だった。それでも、トールがしっかりとリードしてくれていたし。その体温が伝われば、恥ずかしさもありながら、また同時に落ち着きも覚え。] 先輩……。[曲が途切れれば、どこか寂しげに彼の顔を見上げた。一礼の後、離れてしまった身体を惜しむかのように。そっと彼の服の裾を掴もうと、左手を伸ばした。] …………こちらこそ。 ありがとうございました。[穏やかな声で、小さく、呟いた。]