旅人 ニコラス

「だけど、安心しろ」

[突然少年の声に慈悲と温かみが生じる。だがそれは、怒鳴られたときよりも一層激しい凄みを感じて、思わず息を飲んだ。
だが少年は心から楽しそうな笑みを浮かべている。]

「いよいよ始まるんだろ？　人狼騒動が。はあーっ、たまらねぇな！　あの緊張感と高揚をもう一度味わえる日がくるなんて。やっと再び占い師として活躍できるぞ。人狼を占ってその正体を皆の前で明かして追い詰めて、そして░▓▒▓█する！　あの興奮の日々が――」

ふざけるなあ！

[その得意げな顔を見ているうちに、とうとう辛抱しきれなくなって大きな声を上げる。]