んでも…あんなに熱いラブコール出してんなら、
別人とはいえ出てくしかないよな。
ちょっとそれ貸してくれ。
[そう重兵の兜を借りて被った。
これなら顔は見えず髪しか目立たない。
おい何するんだよと言う仲間へ、少し笑って。]
撤退に決まってんだろ。
俺が飛び出したら全員離脱な。
[そう告げ髪を一つに結んだ男が飛び出し、敵兵の前に躍り出る。
もはや偽物と解っていたかもしれないが、だからといって捨てて置かれるほど、元軍人の腕は悪くない。
仲間の退路を作るべく、砦に群がる兵を一人また一人と切り崩しにかかった。]