神父 ジムゾン

　　――俺はね、
　　さっき談話室じゃ色々話が出たが、
　　シモンが悪魔になんかは、見えないよ。
　　元々持っていた深い心の分だけ、
　　深い傷を持つ、人間に見える。

　　けど、そうか……　
　　天国は、そういう、ところか。
　　青い世界。
　　そいつはきっと、本当に、綺麗だな。


[それまで、懺悔室で相手と向かい合うような、
そのような表情を、浮かべていたのだけれど。
その言葉を言ったときには、どうしても、
――ほんとうに、常になく、
どうしようもないほどに、声は震えた。]