人狼物語−薔薇の下国

312 ルー・ガルー戦記 7 〜攘夷/開国篇


貴族 クレメンス

― デ・モール火山方面へ ―

[あくまで正式に王府との外交樹立と説得を目指そうとしていると見えたシメオンと、クロードに協力して王府へ反旗を翻すことを助長しているかのように見えたカナンとの間にあった印象のズレが、男の内で漸く補正されていた]

あの子は昔から、賢すぎる子だった。

[続いて紡がれた言葉は、柔らかな笑みと共にどこか懐かしむような声で]

父親に似たのが身の不運だろうな。先が見えすぎて、時の流れが彼の思いに着いて行けない。それを埋めるために更に知恵をつけ、周囲をも巻き込んで目指す先へと急ごうとする。

[それを是とするかどうかの評価はせぬままに、くすくす、と忍び笑った。脳裏に過ったのは、いつも真っ先に巻き込まれていた彼の学友ガートルートのことでもあったろうか?]

大使殿も巻き込まれたクチとは、お気の毒なこと、と言えば良かろうかな?

[実際、あの場で民衆の前に立ち、その熱気を煽る当事者と認識されたことは、カナンのこの先の立場を相当に危うくする筈だったが、この場では揶揄うような台詞に紛らせる]

(573) 2015/03/09(Mon) 21:39:10

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