― 回想・出撃前 ―[猫が迷子になったのだ──、と。妙に緊張感のない様子に、一瞬何だと思ったのがいけなかった。懐に手を入れ、魔石を握った動きを止めてしまったその一瞬。逆に、先手を打たれた>>532] く……ッ![聞きなれない詠唱と共に現れた幻影に、足を止めたのが一瞬の隙。ここぞとばかり吹き抜ける風に、しまったと思う]