― アンディーヴ邸・夜 ―[まさか自分の趣味のことが話題になっていたとは思わなかったから、釣果を聞かれたら憮然とした顔になっただろうけれども、ともあれディナーには同席して、様々な話を聞いた。ファミルが武装商船二隻のみでウルケル領主らの説得に回るという話を聞いたときには皇帝とファミルの顔を見比べたが、皇帝の決定であれば賛成も反対もない。ただ、気を付けてくださいと言うに留めた。やがて夕食が終われば先に辞して、借り受けた部屋へ戻る。皇帝に報告と具申をすべきもろもろをまとめるためだった。]