― 悪夢は廊下へと流れて ―[ベルトを断ち切られ下衣も脱ぎかけ、上衣は袖をひっかける程度。今朝の戯れの跡が、文字通り深く刻み込まれ、どうしようもない酷い状態で、なんとか個室近くの廊下までたどり着く。アルコールの匂いと、ぶつぶつと恨みを零す声。ふらつき、とうとう床へと崩れ落ちる様。悪酔いも此処に極まれり。蹲るようにして泣き出した子犬を、部屋まで送り届けたのは誰だったか]