(――ーフィ、……まない、…もう、俺は、お前とは……)(な、……此処から、出て、くれ。帝国からも、公国からも)(……どこか、遠くへ。――おねがい、だ)[差し伸べた掌の先の、銀色にひかるものを、見て。 己の手を染める鮮やかな朱に、目を留めて。 もう、触れることもできなかった。]