人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


読書家 レト

[いくら裂いても、叩いても、抉っても、泣き言ひとつ言わぬ。
そう、王子が可笑しそうに呟く。
ドールから渡されたボトル。顔の上で逆さにすれば、薄茶の髪はしとどに濡れ
かきあげた前髪の下から、薄い割れ目――鈍い白が顔を覗かせる――が覗く]

[振りかぶられたボトルはそのままレトの頭に叩きつけられ、破片で衣服は裂かれていく。
それでも、うめき声ひとつあげず、むしろ薄笑いさえ浮かべていた]

 ふ、 ……は、はっ

[否、"薄"くはない。
箍が外れた野犬は、押し殺していた笑いを、とうとう外に解き放つ。
赤と黄金が滑る肌を戯れに弄られ、息をあげても
それに飽いた王子がいつの間にやら姿を消していても]

(564) 2013/09/30(Mon) 23:19:26

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