人狼物語−薔薇の下国

65 ルー・ガルー OROCHI


草原の民 アイリ

― 赤の亜神戦 ―

[放った二つの矢は自分でも驚く程に正確に、巨人の片目を貫いた。
痛みに歪んだ軌道にならなかったどころか、今はその痛みすら感じられない。

呆けていたのは一瞬。
咆哮のような声にはっと巨人を見ると、亜神が目を抑えて呻いていた。]

 ぶぁぁぁあああああっ

[赤黒い霧が亜神の周囲を覆い、その姿は次第に薄れてゆく。
光に照らされれば、まるで硝子でも混じっているように霧は時折煌いた。
薄暗い欲望と輝くばかりの夢は、混在し一体であるかのように、それらは交じり合い霧散して、やがて跡形もなく消えてゆく。

最後に残されたのは、見覚えのある丸い宝石だった。]

(563) 2013/10/02(Wed) 17:06:42 (t_nuke)

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