ならず者 ディーター

― 自宅までの道 ―

［──さて。クララはカタリナと別れて、少ししないうちに追いかけて来たのだったと思う。呼び止められて>>452振り返ると、彼女は途端に慌てた様子を見せた>>471。］

…クララ、落ち着け。取って食ったりしやしない。

［少し眉を下げて──酔っているときにはあまり見せない顔だ──、クララに落ち着くように促す。恐らく普段が酔っ払いなのであまり自分と話さないせいだろう、と何となく予想はできたけれど。

──そうして、彼女が口にしたのは。
「金狼様とセイラ様は間違いなく史実だと思うんです」と言われて、うん、と頷く。
だけど、その後に続く言葉はディーターにとってあまり良くないもののように思えた。］