― 半年前、小さな宴 ― 『乾杯』[グラスを掲げた王子は、それは素晴らしい笑顔をしていた。それは、暴力だけでなく、実際に王子に身体を貫かれた初めての日。笑顔はそのまま、それでも肉体の疲労は著しく] ……乾杯[同席していたソマーリュとフェリクスの名前も思い出せないような、酷い夜だった。一口含んだのは、食前酒。味も香りもわからない。喉を通った熱さと、脳髄の痺れにきつく目を閉じ――]