人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


読書家 レト

 ― 半年前、小さな宴 ―

 『乾杯』

[グラスを掲げた王子は、それは素晴らしい笑顔をしていた。
それは、暴力だけでなく、実際に王子に身体を貫かれた初めての日。笑顔はそのまま、それでも肉体の疲労は著しく]

 ……乾杯

[同席していたソマーリュとフェリクスの名前も思い出せないような、酷い夜だった。

一口含んだのは、食前酒。
味も香りもわからない。
喉を通った熱さと、脳髄の痺れにきつく目を閉じ――]

(562) 2013/09/30(Mon) 23:18:18

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