―シュビト中央広場付近―
[>>512女とジェフロイが言葉を交わす間も広場周辺で騎士団と民衆の睨み合いは続く。
周囲の熱気は一旦の収まりを見せるのを肌で感じ取る。
しかし遠くでは戦闘の気配を感じていた。
恐らくは騎士団に続いて侵入した地方の貴族の部隊だろう。
王府からの命で武装していない民への攻撃は禁じられている。
彼方に主力の兵がいるのだろうか。
けれどそれにしては――聊か騒がし過ぎるような気がした。]
……。
[言外に告げられた、ステファンの死亡に女は口を噤む。
ろくに状況も知らないまま、特攻する形となった将が既に死亡している可能性は大いにある。
但し、眼前の彼が直接手に掛けたのではないだろう。
誰かを殺めた後に凪いでいられる程の経験は彼らにはないだろうから。]