(――俺は、どちらでも構わないが)[生憎、それを悟られるわけにもいかなかった。滑る手元をぬぐい、剣を握りなおす。]…少し、離れすぎたか。人数が足りぬのがどうにも痛いな…。[十数名の分隊でできることは高が知れている。さらにそこから人数を減らした傭兵たちを見回し]全隊、敵兵の排除を優先としつつ、少しずつ後退せよ。――極力隊形は崩すな。小隊に近づく敵を、一騎でも良い、減らせ。*