― サクソー川/橋の西側 ―
[ 中央突破に注力しているせいだろう、西側への強い圧力は今は無い ]
ちょいと引っ掻き回しに行くぞ!
[ 彼等の視線は右翼と中央に向いている。その隙を伺うなら今、と、駆け出す馬に、男の声の聞こえる範囲に居た10名ばかりが、付き従い、疾駆する。
長槍携えた騎兵達の鎧は正規軍のそれで、走りながら受ける少々の矢なら、当たったところで大きな傷を受ける懸念はなかったから、躊躇いはない。
ただ、馬に当たれば足を止められる事になるから、蛇行しつつの早駆けになるのは避けられず、その分、相手に気付く暇を与えることになっただろう ]