不意に浮かんだ考えに、またチリリと焼けつくような微かな感覚。
何を考えてるんだか。関係ないだろう。
そう首を振って払おうとすれば、横から箸が伸びて来たのに気付くのが遅れた。>>428]
おい、もらう前に言えっつっただろ。
……って椎茸か。
[器の隅へ避けていた椎茸が、炉の口に消えて行く。
昼間に続き、偶然だろうか。
いや、きっときのこが好きなんだろう。
そう自問自答しつつ、文句を言った手前そのままでは引けずに。ひょいと奪い返したのは、お楽しみに取って置いたらしいしぐれ煮。]
何が考えすぎなんだか。
ない頭使ってるから隙ができるんだろ。
[目くじらを立てて騒ぐ炉に澄ました顔でおこわの最後の一口を食べ終え。
ご馳走さまでした、と手を合わせた。*]