― 灼熱の闘技場 周辺 ―
…そうか、お前が言うんだったらそうだろう。
[>>529こと記憶のない今、元いた場所まわりの事については、この男を信じる他にない。
たとえそれが間違っていたとしても、それを指摘する人間はここにはいない。
故に明らかに人間じゃなさそうな恰好をした物がいても、そういう奴らもいるものだで片付いた。
賢い黒馬だけが、なんか違うんじゃ?という様子でぶるんと鳴いたが、人間二人は抗議の声とは取らなかったか。
そんな馬を撫でる様子を愛でられ笑まれているとは知らず、どこか人懐っこく、懐かしい黒馬を撫でる時は、こちらも自然と笑みが乗り、馬の方も応えるように大人しかった。]