(これは……やはりおかしい。おかしいぞ………!!)
[アビィが通信室へ向かうために出ていくのをただ見送るしかできなかった彼は、アビィの行動をモニタしつつも、苛立ちながら爪を噛み続けていた]
(何のつもりだ?
"イア"様は、"彼ら"は、あれを、『ラグナロク』をどうしようというのだ……?
何が最終兵器だ、田舎者の、蛮族の大げさな夢物語だ、そんなものは。良くてせいぜい小惑星を破壊する程度の代物にすぎないだろうに……。そんなものの何を気にかけておられるのか……
私は最初からわからなかったのだ……。
もちろん、私になど計り知れぬ意図があるのかもしれぬ。
だが、それにしても今回の私への命は何だ!?
こんなスパイの真似事のような……
そしてあのドロイド…。
気に入らない……いやな予感がする……!
まさか、まさか……………私はもう……………………
………………いや、まだ私には価値があるはずだ!!
…………そんなはずが………………!!)
[爪からは出血が。そしてアビィは通信室へたどり着く。]