[緩く手を引き、最後に夫婦大國社へ手を合わせると、祈願と共に十五社満願の報告も兼ね。加護を得るときよりも長く時間を取って礼拝。ざらりと靴裏で地を詰り、チラと盗み見投げる彼女の横顔。先ずは一呼吸を置いて、口を噤み。たっぷりと時間を掛けてから、真っ直ぐ視線を社に向けたまま、声を静かに響かせた。]