[気配に聡い彼女も覚えただろう魔族の進軍。
それを他所に、安穏と施設内を闊歩しながら。>>543]
御しきれぬ力に手を伸ばす賢しさと愚かしさですか。
魔族や神族は特に好きそうな存在ですね。
[片や傍観気質の強い精霊種。
魔道師らに積極的に手を貸す変わり者も在るが、
基本的にはヒトの歴史に大々的な介入はしない。
精々が彼女のような光精が、辺境の地に伝説なのか、
御伽噺なのか分からぬ、目撃情報を残して行く位だろう。]
ああ、ヒトを見かけても、余り加護を預けてはなりませんよ。
唯でさえ、今の貴女は弱っているのですから。
[自身の所行を棚に上げ、ツ、と視線を硝子の向こうへ投じ。]