― トールの私室 ― 失礼します。[招き入れられれば、折り目正しく礼をして部屋へ。ちなみにここらへんの礼儀作法は神学校時代に躾けられたものでクレステッドの教育の成果ではなかったりする。バスケットをテーブルに置くと、書簡と、虹色の蓮を包みから出す。] 改めまして。 当主ご就任おめでとうございます。 此方を、あなたへと。[両手で包むようにして、トールへと煌びやかな光を放つ蓮の花を差し出した。紫水晶の双眸が、じっと相手の琥珀を見上げていた。]