― メインサロン入口付近通路 ―
[軍事込みの徹底したクリアリングで、通路の安全を確認しながら身長に進む。幸いここまでは、人にもドロイドにも遭遇することはなかった。
しかし。
メインサロン入口手前のT字通路の角の壁に背中を付けて、顔だけ出してサロンの入口の方を見ると。
自分と同じように壁に張り付いて歩いている人物>>529が目に止まった]
…!
[誰だ?添乗員か?いや、添乗員があんな風に背中を壁に預けて歩くものか。
逃げ遅れた乗客か?自分と同じようにドロイドを警戒しているのか?
――それにしたって、メインサロンの真ん前なのに、警戒を解かないのは可怪しい。
まるで目の前の男にとって、この船全体が敵のようじゃないか。
位置乗客であるベネディクトには、他の乗客の情報など分かるはずもなかったが、なまじ軍人の勘がジャケットのポケットにスマートに隠された拳銃に手をかけた。]
(…こちらから仕掛けてはダメだ。あくまで正当防衛でなくてはならない。相手の出方を窺うんだ…*)