[傍らに立つ伴侶の全身から、膨大な闇が溢れ出し、異界の門の隙間へと吸い込まれていくのをまざまざと感知する>>529彼が力強く紡ぐ呪文に、そっと重ね合わせる囁き>>530] ―――異界の門よ、我が力、我が意志を捧ぐ。 この身に宿す、母たる陽光に賜った恩寵を。 光の傍らに出づる翳を隈なく照らし、邪を祓い清める赦しを。[闇夜に侍り、何時しか黎明に染まった髪。誓約を遂げる刹那、生来の陽射しを縒った金糸へと淡く照らし出され、渦巻く風に散る]