お久しぶりです、トゥーレーヌ准将。
士官学校のあった方角から来られたように見受けられましたが…
…そうですか。やはり、散策に……………。……………。
准将を探すために、私の隊でも、他の小隊でも数名が派遣されたと聞きます。
シュヴァルベの地に戻るのが久方ぶりなら、当時のご記憶を思い出されて懐かしくなるのもわかりますが、あの地は未だ斥候隊による散策も完了しておらず、いつ物陰から公国の斥候が現れるやもしれぬ状況。このような進言をさせて頂くのは大変心苦しいのですが…
[傍で見ていた隊長の顔が真っ青になった。
副長の口がかくりと開いたまま閉じていなかった。
准将と昔馴染なら、是非陣地までお送りしなさい、ついでに直に作戦について確認するように、と片言のような棒読みで伝えられ、図らずも、陣地までの案内役兼伝令係を押し付けられることになった。]