― 道中 ―
[ カナンが拳銃の数字や文字が打ち込まれていた箇所を確かめる様子>>529に、確かめる術がそこにあったのだろうと漠然と思う。海が近い土地にいたこともあって、遺品の中でも取り扱いには慎重を期していたものでもあった。名前は知っていたが、改めて名乗り>>530>>535を受ければ深々と頭を下げた。]
リリ大使様にオリオール副使様ですね。
このような不躾な願いに対する機会を設けて頂き感謝致します。
こちらは"御隠居殿"、ですね。
[ 飄々とした一筋縄ではいきそうにない商人風の装束の男>>511に対して、馬を借りる礼を述べながら頷いた。様にするか殿にするか少し迷ったが、こちらが迷うほど相手が気にするとも思えなかった。
彼がある程度の財力と権力に馴れている素振りを受けたが、その正体を知ろうとはこの場ではしなかった。
ゆえに彼が自分が伝聞でのみ知っている嘗て国の外を目指した者>>0:109であるという事にまだ気づく事はない。]