[同じ時期にEsとなり、同じように心と身体に傷を負った。
脱獄して処刑され、反乱を起こして殺される、
そうして減っていく仲間をずっと共に、見送ってきた。
自傷する勇気が自分に無かっただけで、
若しかすればリエヴルと同じ道を歩んでいたかもしれなかった。
彼の穏やかな微笑が、今日までの自己を支えてくれていた、
他にもそんな人間は多く存在するだろうけれど
己もその中の一人なのだ。]
[ほら、茶会はもうすぐお開きだ。
テーブルを片付けたりしている様子が見て取れる。
リエヴルの車椅子を、屋根の下まで押さなければ。
もうすぐ、雨が降ると解っているのに。
これまで踏み込めていた一歩が凍り付いて、動かない。]