ああ…、そういうの、ちっちゃい頃にやったよね。[軽く兄の説明に相槌を打ちながら、どうにも腑に落ちない>>529火性というには、随分と導火線が長いことだ。十数年もつかず離れず、手の届く場所に据え膳が居たというのに。――やっぱりあの僧侶、偽者じゃないのか。罰当たりなことを考えつつ、兄の腕の中から外れぬよう、彼を痛めぬようにと、歩調を合わせて多羅葉の下まで至る。足元の落ち葉を拾い上げ、兄が短く唱える呪]