(……わかりました。ですが、極力接触は避けたいかと。
今は微妙な時期です。芋蔓でこちらの事情が知られることだけは避けねばなりません)
[皇帝崩御から、半年と少し。
――状況は面白いように、開戦に向けて転がっている。
活気ある今のシュヴァルベを見て、それに気づくものは少ないだろう。
だが、両国の議会は日に日に戦争の可能性に言葉を割く時間が増え、融和派と開戦派が舌鋒鋭く火花を散らす事態であるらしい。
しかしそれに、鎖の国が関わっているとしたら。
――両国は再び外敵に向けて手を組み、一転、草原の大陸こそが危機に陥るだろう。]