[こちらに気づいた巨人が、左手を振り上げ、炎吹き上げる鞭を叩きつけてくる。地面を抉るそれをぎりぎりで躱せば、なびいた髪が炙られて、ちりりと音を立てた。構わずすり抜け、さらに誘うように斜めに馬を走らせる。鞭の攻撃を引き付けながら、短く太い投槍を手にした。疾走する馬の上でバランスを取りながら、身体をひねり、力を溜めて、解き放つ。放たれた投槍は、狙い過たず巨人の右腕に、剣を振るい友を襲わんとしているその手に、突き立った。――― 17(20x1)]