あいつらに駆ける騎馬は撃てん。行くぞ。───駆け抜ける!!![どのみち隠れた相手を狙って射撃は出来ないから、こちらかの攻撃はあきらめた。ならばと兵を励まして、駆け抜けることを選択する。猛然と騎馬の蹄が地を蹴ると、あとを追って発砲の音がした。公国の銃にに比べて射程も威力も劣るといえど、当たれば無論無事では済まない。疾駆する者らに当たる数は多くはないが、所々で不運に見舞われた人馬が悲鳴を上げる。視界の端で、信号弾の光が閃いた。地を揺らして竜騎兵隊が猛然と北へと駆けゆく*]