[珍しい妻の片鱗に中り、研究所を進む足取りは軽い。左右に並ぶ窓硝子の向こうには、生体実験の名残を思わせ、手術台を取り囲むように計器類が並ぶ。悪趣味な建築物を流れる空気は少し生温い。>>536] 彼らの寵愛と蹂躙は良く似ていますから。 ―――…ほら、イングリッド。 恐ろしければ、確りと掴まっていないと。