[オルヴァルのとある港街に敗戦の報が齎されたのは湾岸に建てられた最後の砦が陥落したという報せと同時>>274だった。
国軍の艦隊は壊滅し、帝国の艦隊が港まで押し寄せていると>>275ほうほうの体で逃げてきた残兵が触れて回っていた。
戦果の報せを受けたユルド社の動きは素早く、何よりも誰よりも早くに帝国へ恭順の意志を示した挙句、自ら社の未来の跡取りである長男の子女を帝国へ差し出したのだった。
かくしてユルド社はオルヴァルの中の幾つかの商会の中でも唯一国の吸収による縮小の害を受けることはなく。
現在は次男夫婦が会社の跡を継ぎ、実権を握っている。*]