こちらは、通常の渡河に利用できる場所、だな。……曲芸のような真似をせずとも川を渡れるポイントだ。無論、渡河中を狙われたり、力尽きて流されねば――の話だが。但し、流れは北側よりは若干速いし、見ての通り向こう側よりかなり水位も深い。北側と違い、途中で騎首を転じる程度の広さはあるが………ああ、そうだな。此処だ。[辺りを探索した部下が、川縁に馬の蹄の痕を確認する。乱暴に踏み荒らされたような其れを追って、慎重に水の中に馬を進める]