…よもやこの私が不審人物扱いされる日が来ようとはな…[口から零れ落ちた、そんな言葉に男が浮かべる複雑な表情>>524。苦笑と呆れと疲労を三分の一ずつ均等に配合してそこに胡散臭い職業を担う者の気持ちをブレンドした何とも度し難い気分だ。何にせよ歩く事は出来るらしい。ならば息をあげている男の私兵も青年を抱えたりなどはしない。その間も男の三白眼はじろじろと無遠慮に、その刺繍施された上着へと注がれて]