[総合すれば己も平均値を超えてはいるが、
文系科目と美術が足を引く為、身体能力の方がよく目立つ。
だから、誘導尋問めいた言葉にもあっさりと返してきた相手にも、
驚きを見せるようなことはなかった。
代わりに仄か吐き出したのは、淡い吐息。>>528]
琉璃、また予防線を張っているな。
納得できていないなら、食事の後に見てやるぞ。
評論なんて冗談では無いが、琉璃がそんな顔をするなら、
付き合うのも吝かではない。
[彼女の面持ちにどこか憮然としたものを感じ取り、
大きな栗の甘露煮を、箸で器用に摘むと彼女の弁当に移動。
代わりに出汁巻が半分欲しいと、図々しい交換を申し出つつ。]