[携えた掌に淡光が滲み、微かな温みを彼に伝える。
陽光の白金ではなく、蒼味がかった白銀の光]
丁度、同じことを考えていたの。
これは、貴方に貰った力だから――…
私でも、きっと貴方を護れる。
[…護らせて、と囁き、そっと微笑む>>528
母なる太陽に授かった加護ではなく、彼の半身として捧げる意志。
一歩踏み出し、重ねた掌を錠前に翳す。
魔界中に標した呪印が呼応し、瘴気を震わす風音]
―――ねぇ、もう一つ。
同じことを、ずっと想っていたの。
[悪戯めかした微笑がふわりと広がると同時、
漆黒の円陣から湧き上がる幾条もの白光>>529]