― ブラバンド北 ―
[豪雨のような矢が、訓練を重ねた騎兵に牙を向いて襲い掛かった>>521。
足を穿たれて、馬が横倒しになる。その上から、更に止まらぬ矢雨。
馬の腹を影にしても限度があるし、なんとか矢から逃れたと思ったら、討って出た相手の騎兵の槍に、希望を打ち砕かれた。…そんな光景が、あちらこちらで起きる。
けれど多数は難を逃れ、仮の砦に火の手が上がる。
後方に位置する巫女姫にも、その光景は見てとれた]
…まずは上手く行きましたね。
[そうしているうちに、相手の騎兵と此方の騎兵がぶつかった。
刃がぶつかり合い、剣戟が軋んだ音を響かせる。
が、上がる音は兵の数と比べると少ない。
少し交戦して、下がる仕草。
追えば其処を機械弓が穿つ]