―暫く後・城館 ―
…少し手間がかかったな……。
[評議会を訪ね、無事議長にバランの心臓を受け渡した後。
此処へ戻る前にある場所へ赴いて一作業終えて来た男の両手には、ワインボトルの様な瓶が握られている。]
君、長い黒髪の青年がどちらの部屋に案内されたか教えて欲しいんだが…。
そう眼鏡をかけた子だ……
わかった、ありがとう。
[廊下を行く使いを1人捕まえて、アレクシスの部屋がどこかを尋ねると、その手に瓶を一本握らせた。]
これを――もしまだ"血"を飲んでいない子がいたら、あげて欲しい。
それから、アレクシスの部屋にグラスを持って来てくれ。
[決して無理強いしない事と、中身は『人間の血ではない』事を伝えると、アレクシスの部屋へと向かう。]