[予想外のことがあったとすれば。
複葉機乗りが予想よりも遥かに優れた乗り手であったと、その一点に尽きるだろう。
…少しは。油断があったのも否定はしない。
それでも私は、見事にしてやられたのでした。>>494
眇めた自らの翠玉の瞳が、乗り手の若葉色の瞳と視線がかち合うほどまでに接近されてその上、逃がしたなど。]
ここまで嘗めた真似をされると、
易易と逃がしたくもなくなるってもんです、よね――ッ!
[私は詰められた距離分の速度を遥かに凌ぐ速度で空へと虹の軌跡のように駆け上がる機体>>495を睨め上げ、眉を顰めるとライフルの向きを空へと変えて照準を合わせて、そして彼方へ飛ぶ鋼の鳥を見上げていたが――、]
…〜〜っ、届かない、な。これは。
[視認出来るがやっとまで距離を離された様子だけ確認すれば溜息を吐くことになりました。]