─ シコン港、夜道 ─
[案内に会議室を出れば夜の町の中、階段上の三段目に、一軒ばかり灯りが点ってあるのが見える。
あちらです。と目的地を示す際に、港が見え、ふと、発作、といった言葉と共に視線が向いた海へと視線が留められた。]
……夕食。扶翼官殿の釣果の期待値は、
いかほどでしょうか。
[浅瀬がなだらかに深くなる湾内には魚が多い。漁もできる程度にシコン港の海は豊かではあるが。
発作。といわれるようでは今も期待薄だろうか。とも思う。そういえば、魚が釣れているところを見た記憶がないな。と、表情に出さぬまま道行少しだけ可笑しいような心地を覚えた*]