『いえいえ。シュビトでは自警団の方々が良くやっているので、わざわざ人手をお貸しいただくようなことはありません。自分の街は自分たちで守るという気概にあふれた住民が多いですから、よその方とは折り合いが難しいかもしれません。……ああそうですか?そこまで仰られるなら、人員では混乱の元になりますので、武具の援助をお願いしたい。資材でも構いません。出来上がった武具の一部はそちらに納入もできるでしょう。職人組合の方を紹介しますよ。』
[様々な勢力の干渉から知の府たる学館の自治を守り抜いてきた館長は、言葉を並べ立てて相手を煙に巻き、むやみな言質を与えることはしなかった。]