― 某日>>421 ―
[その数日は、どこかおかしかった。
何度訪ねても、フレデリカに会うことが出来ない。
不思議に思っていたある日、漸く彼女と会えた。
その直前、ことの次第を部隊員に聞かされた。
まさかという思いが顔に出ていたのだろう。
あっさりと見抜いた彼女の表情が、痛々しかった]
………っ
[笑顔を見せながら、涙を流すフレデリカを。
気づけば腕を伸ばして、胸の内に抱き寄せていた。
彼女が表情を見せず済むように、胸に彼女を抱きしめてやる。
彼女の気が済むまで。涙が止まるまで。ずっとずっと、抱き締めたまま]