…ん? ああ。
あの人形のことを考えていた。ほら、白猫の…。
随分愛らしいが、手作りなのか?
[返るのは否定の言葉だったが、幾分様子はおかしく見えて。
どこで買ったんだ?と問えば、バザールで入手したという。
まさか彼自身が造ったとは思わない故に、ほわほわのマスコットを思い浮かべ、素直に納得して頷く。]
……確かに、バザールで売っていてもおかしくはない出来だ。
スノウにとてもよく似ているから、見つけたらきっと喜ぶ奴も多いだろう。
特に、西寮にはスノウのファンが沢山いるからな。
[その言葉に、彼は何を返したのだったか。
――まさか当時はただの友人同士だった同室者との間の、微妙な雰囲気の変化を悟られているとまでは思っていなかったが。
交流は、卒業までそうやって続いていた*]