[ソマリは子供たちの中でも、格段に幸運に恵まれた方だろう。本来ならば貴族の嫡男ばかりが集まる士官学校――其処への入学を命じられたのだから。彼女の真意は分からない。けれど入ったからには、成果を残す必要があった。使えなければ廃棄される。それだけのこと。東寮長を務め、上々と言える成績を修め。使える手駒と判断されてからは、斥候部隊として各地の偵察に派遣されたり、貴族との歓談の護衛に呼ばれたり、社交パーティに放り込まれたりと、色々だった]