────…、行くぞ。[その状況をじっと見て、ゲオルグは号令した。無謀ではない。囲みを完成しつつある一点に綻びを見たのだ。囲みを破り火力を一気に集中させ、敵をひるませた隙に巡洋艦を救い出して戻る。やはり傍から見れば無謀であろう作戦に、麾下は良く応えてくれた。互いへの信頼があった。そして何より、今から救いに行くのは自分たちを逃がすために果敢に踏み止まった僚艦だった。]