― 回想:15〜6年前、オルヴァル/救出 ―[その救出は無謀にも見えたろう。ある日の海戦で、一隻の巡洋艦が敵中に取り残された。引き際を見誤ったのだとは、誰の目にも明らかだった。その日、オルヴァル・ウルケルの連合軍は帝国軍の不意をつくことに成功し、水上機艇母艦一隻に戦艦までをも沈める戦術的勝利を収め、手早く帰還せんとしていたその時だった。追い縋ってきた敵艦から僚艦を逃がそうとしたのだろう、踏み止まった巡洋艦はあっという間に復讐に燃える帝国艦に取り囲まれた。]